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口腔顎顔面インプラント治療について (1/6)
鶴見大学歯学部口腔顎顔面インプラント科
Center of Implant Dentistry Japan
佐藤 淳一
Ⅰ. 顔面補綴のインプラント治療
従来の顔面補綴の治療では顔面補綴を維持する場合に接着剤、両面テープ、めがねなどを使用していた。
しかしこれらの方法では、装着した顔面補綴が脱落するのではないかという恐怖感があり、日常生活にもかなり支障があり、軽い運動さえ出来ない場合が多かった。
そこでこの顔面補綴の維持源として、顔面インプラントを応用している。
症例は涙腺腫瘍のため他大学病院にて眼窩内と眼窩周囲組織の切除を行った(図1,2)。
顔面補綴の製作希望にて紹介され来院したが、顔面補綴の維持が困難なことから、顔面インプラントを使用した。
本来であれば眼窩外側縁から眼窩上縁にかけてインプラントの植立を行うが、この症例ではこれらの骨が欠損しているため、眼窩下縁に3本のフレンジフィクスチャー(図3)を植立した(図4)。約6ヶ月後2次手術を行い、マグネットに依る顔面補綴の維持源とするためメタルフレームを装着した(図5)。顔面補綴の裏面にはマグネット(図6)を、表面には眉毛、目を着け、顔面の色に合わせて顔料を塗布した(図7)。
このような大型の顔面補綴も強固に固定が可能になり、これが脱落する恐怖感も消失し、顔面皮膚との境界も不明瞭になり、良好な装用感が得られている(図8)。
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図4 |
図5 |
図6 |
図7 |
図8 |