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学会理事長あいさつ

公益社団法人 日本口腔インプラント学会
理事長 渡邉文彦

 公益社団法人日本口腔インプラント学会は1986年に発足、2010年には、より社会に向き合う学会として、歯学系学会で初めて公益社団法人格を取得しました。現在では会員数は12,600人にものぼり、その数は年々増加の傾向にあります。この背景は口腔インプラントを応用した歯科治療の高い機能、審美の回復と予知性にあります。本学会の目的は口腔インプラント治療に関する研究を推進し、学術の発展に寄与し、より安全で安心な口腔インプラント治療を国民に提供することにあります。そのため会員は国民から信頼される高い医療倫理、医療知識、診断能力、医療技術を習得することが必須です。これを目指し、本学会は年一回開催する学術大会の他、5各支部での学術大会・学術講演会、大学系・臨床系の研修施設での講演会、専門医の臨床技術向上のための講習会、医療安全・医療法律に関する講習会などを定期的に行っています。専門医は標準的な安全・安心な口腔インプラント治療が行えるドクターを目指しており、取得時、また5年ごとの更新時では高い審査基準が設定されております。本学会は公益社団法人となったことから、国民へさらに質の高い医療を提供する責務が求められており、これに応える努力を重ねております。
昨今、国民生活センターから本学会を筆頭に関連学会にインプラント治療後のトラブルに関する要望書が提出され、マスコミはこれらの問題を報道しています。より安全で安心な口腔インプラント治療を追及する本学会はこのことを真剣に受け止め、国民の信頼を取り戻さなくてはなりません。そのためには、どのような歯科医師が、どのようなトラブルを起こしているのか、他学会とも協力して現状の調査・分析を行い、その対応と解決法を提示して実施することが急務です。一方で、本学会はすでに幾つかの取り組みを行っており、その例が口腔インプラント治療指針やインプラントチェックリストの作成、インプラントカードの普及などです。卒前・卒後のインプラント教育の充実を図ることが必要です。卒前教育にとってもはや口腔インプラント学は必須であり、この内容は他の分野と同じ程度の教育時間が必要です。また、卒後教育においては学会員の教育はもちろん、今後は公益社団法人であることから学会会員以外の歯科医療従事者を対象とした口腔インプラント治療の教育・臨床技術の向上を図り、口腔インプラント治療に必要な情報を提供する必要があります。もうひとつは、国民に対しての口腔インプラント治療に対する啓発であり、社会・国民へも適切な口腔インプラント治療に関するわかり易い情報を提供することです。口腔インプラント治療に関して日進月歩の新しい治療技術・材料が開発されており、これらを評価して応用可能とすべく、学会として厚生労働省への評価の情報提供、必要であれば認可等の働きかけを行います。患者さんにとって有用なものに対しては積極的に学会として評価し、報告することも大切な役割と考えます。国内の他学会はもとより欧米やアジアの国々の口腔インプラント学会との学術交流も積極的に行っていきます。口腔インプラント治療を行う我々学会員の倫理と医療安全に関しては、再確認するプログラムの充実を図ります。
口腔インプラント治療に対する国民の信頼を取り戻すには、第一歩として日本口腔インプラント学会の看板に恥じないよう会員の一人一人が本学会の目的を自覚し、適切な口腔インプラント治療を行うよう、日々研鑽、努力することです。これにより口腔インプラント治療を行っている本学会会員外の方々の心を動かすことができるものと考えます。
会員の皆様の口腔インプラント治療にかける熱い情熱をもう一度会員の皆様と一緒に確認し、共有したいと考えています。

2012年6月17日
理事長 渡邉文彦


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